ジョサイア・コンドルを巡って ~part2~

ケンさん

2013年12月25日 14:52

前回の旧岩崎邸につづいて訪れたのが旧古河邸でした。



こちらはジョサイア・コンドル晩年の作。
大正に入ってからのものになります。
旧岩崎邸は木造でしたがこちらは安山岩をつかった石造り。





この重みのある色合いの石壁に窓枠の白。
いまや歴史のある海外の街でも新しく建つ建物の窓枠はアルミサッシになってきていると聞きます。
維持管理やコストを考えるとそうなるんでしょうけどこういうのを見ると建物のデザインを決める大きな要素の一つであることがわかります。
そういう造作のできる職人さんもいなくなってきているんでしょうね。

北側に位置する玄関から左手に回ると庭につながっていきます。



南側は敷地の傾斜を利用して、建物を見上げるようにつくられたジョサイア・コンドル設計の洋風庭園があります。
きれいに刈り込まれた幾何学模様のまさに西洋の庭園です。









これは同じ場所から北と南に向けて撮った写真。





立っているレベルに西洋庭園がありここからさらに降りてゆくと小川治兵衛作の日本庭園へとつながっていきます。
日本庭園はおそらくジョサイア・コンドルが直接かかわることはなかったのではないかと思いますが、旧岩崎邸にもみられる和洋が共生するコンドルの意志をくみ取ってのことだったのではないでしょうか。













平日でシーズンオフであったこともあって人も少なく東京にいることを完全に忘れていました。

東京には正直よう住めません。
人生の半分以上北海道で過ごしてしまうと。

それでも時々顔を出したくなる魅力は確かにあります。
ジョサイア・コンドルの異文化の共存ではないですがこうした歴史の重みをズシッと感じる部分と技術や情報、人との交流などで最先端を行く部分が背中合わせにあることがその理由なんでしょうね。

それを表す写真を一枚。



小石川後楽園からの一コマ。
後ろに移っているのは東京ドームです。

写真一枚の中にどれだけの時間の流れが映り込んでんのよと思いません?

これを書いている今、ここ札幌はすっかり雪景色です。
この時期は来季に向けてのプランをまとめたり、絵を描いたり、勉強をしたりが多くなりますが今回の東京で感じたことも大いに役立ちそうです